「いっそ援助でやっていれば」-失敗を得るための対価-

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こんにちは。

EASPインターン生の平野亮です。

 

前回の記事はかなりの長文になってしまいましたが、最後まで読んでくださった方は本当にありがとうございます。

また、予想以上に反響があり、本当に恐縮です。

(前回記事はこちら

 

 

マイプロジェクト始動

 

突然ですが、ただいま単身タンザニア南西部のムベヤ州に来ております。

 

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ダルエスサラームからムベヤまではバスで14時間の長旅です

 

 

 

実は、会社の方に自分の研究について話をしたら、「面白そうだから事業化できるかやってみたら?」と、なんと支援していただけることになったのです!

 

常日頃から優しく時には厳しく、パワフルでとても人情味にあふれる御仁なんですが、この気前の良さに、ビジネスで成功することの本質を見たような気がします。

 

今回のミッションは、もみ殻コンロをとにかくつくって売り、製品モニターの数を増やすことです。

 

自分のプロダクトが実際にどのような人たちにどのように役に立つのか。

それを明らかにするためには、実際に彼らに買って使ってもらうのが一番手っ取り早くかつ正確だと考えています。

 

今日は後半でそのことについて触れたいと思います。

 

 

やっぱりすぐ売れた!…だがしかし

 

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ムベヤはお米の大産地です。市内のマーケットにある精米工場に行くと、やっぱり大量のもみ殻が屋外に捨てられていました。

もみ殻はここで簡単にただで入手できます。

 

そこで、近くの鉄工所にお願いして、もみ殻コンロをつくるのを手伝ってもらえることになりました。

 

職人たちはとても協力的です。

前回の記事では、「もはや一人前の職人になった」と調子に乗っていた僕でしたが、彼らの腕をあらためて見て脱帽しました。

まだまだ彼らの方が何枚も上手で、すぐに3台4台と完成しました。

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その翌日、どこから噂を聞きつけてきたのか、おばさん2人組が鉄工所に訪ねてきました。

もみ殻コンロを目の前で燃やして見せると、彼らは大いに欲しがり、なんと即決で購入してくれました。

 

つくってみたらすぐ売れた。しかも、販促せずとも、向こうから買いに来てくれる。

 

こんなうまい話があっていいのかと疑いたくもなります。

ですが、それとは別の意味で全く喜べない自分がそこにはいました。

 

 

失敗は辛いが役に立つ

 

これまでも、もみ殻コンロをいくつか販売してきましたが、それらも瞬く間に売りきれました。

 

しかし、数か月後に追跡調査をすると、売ったコンロのほとんどは使われていませんでした

購入者に聞いていくと、試してみたけれど、操作性や機能性に問題があって使わなくなってしまったとのこと。

 

彼らは淡々と語ってくれるのですが、その表情から「騙された!金を返せ!」と言わんばかりの圧力がひしひしと伝わってきました。

自分が(それも”貧しいアフリカの人たち”に)売りつけた商品が役に立っていなかったというのは、かなりショックで罪悪感もありました。

 

すっかり意気消沈し、不意に思いました。

 

こんなことなら利益なんていらないから、いっそ援助でやっていれば…

 

タダでコンロを配布していれば、こんな思いはしなかったのではないか。コンロを使わなくなっていたとしても、タダであげたものだから罪悪感もないし、彼らの方も、タダでもらったものに対してそんなに文句も言ってこなかったと思います。

 

ただ、そこでおそらく普及も諦めていたでしょう。

 

 

今まで、コンロを見せただけでは、誰も「良いこと」しか言ってくれませんでした。

現地の消費者も鉄工職人も大学の先生も、口をそろえて「めちゃくちゃ良い!」「欲しい!」「絶対売れる!」と好き勝手に褒めちぎってくれました。

 

それですっかり天狗になっていたのですが、購入者のリアルな声を聴いて、ガツンと顔面を殴られたような思いがしました。

 

もちろん、必要なのは、後者です。

 

彼らの厳しい意見に応えようと、その後コンロの改良にも成功しました。

そして、もちろん今回もその「厳しい意見」を得なければなりません。

 

 

そんなわけでコンロが売れれば売れるほどに、僕は憂鬱になっていくのです…

 

甘い「成功」ではなく、辛い「失敗」を求めて。

 

 

※援助を全面否定するものではありません。農業、教育、医療など非対等な関係で取引がなされる(自然-人、教師-生徒、医師-患者)分野の場合、むしろあまりビジネスライクに語るべきではないでしょう。

さらに言うと、僕がこうしてアフリカでよく分からないことができるのも、両親やEASPの方からの支援、さらには皆さんからの税金=助成金のおかげですので、援助不要などとは口が裂けても言えません。

 

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