とある理学療法士が見るタンザニアの医療機関の現状と課題、そして生活の実態

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私は、2013年1月〜2015年2月の期間、JICAのボランティアの理学療法士として、タンザニアの首都ドドマにあるドドマ州病院の理学療法科に配属されていました。

現地では、配属先の理学療法診療に携わり、タンザニアの理学療法の「治療技術と業務の質向上」を目指し日々奮闘していました。

 

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タンザニアの人々の暮らしと交通事情

タンザニアは広大な面積を有する国で、一般的な交通手段は主に自動車です。中、短距離であれば徒歩や自転車、バイクもあります。長距離移動はバスなどの大型車や乗り合いワンボックス車がほとんどです。

道路をはじめ交通環境の整備はまだまだ行き届いてはおらず、そのため事故も頻繁に目撃します。私が配属されていた病院にも、近隣で起きた大型バスの横転事故から多数の患者さんが運ばれてきたことを覚えています。

また、街から一歩離れると、土壁で作られた住居ばかりの村になる地域が大多数で、村へ続く道はまだまだ未舗装が多く、地方に暮らす人々は街へのアクセスは簡単ではありません。

私が現地の病院という場で毎日関わる人達のほとんどが、このような農村部で暮らす人々でした。

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暮らしと健康

村での暮らしは、近所の誰もが知り合いで、雄大な自然の中で皆が和気あいあいと支え合い、絶えず笑い声が聞こえてくる穏やかさと活気のある生活です。

ですが、自然と共に生きるということは、大人だけでなく子ども達も皆、生活の中で多くの危険にさらされるということです。木からの転落や農業中の事故、薪割りなどの刃物を取り扱う際の裂傷、炭火の扱いのトラブルによる重度の火傷をおうことも多く、清潔とはいえない水を生活用水にしている現状が有ります。

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そんな現地の人々が病気になったら

救急設備や制度が充分に整備されていない中での事故や病気は、重傷や重篤な後遺症に直結しています。なぜなら、村からの移動ということは、未舗装の道を長距離移動する事が前提になる為に、何らかの症状が出た状態で医療機関を目指すという事は現実的ではありません。そのため、「ただただ安静にする」「村の祈祷師さんにすがる」等の対応方法しかなく、村と医療機関はさらに遠い存在となってしまいます。

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病院に行くのは、家ではどうしようもなくなってから

結局、何らかの病を患い、数ヶ月単位の”様子見”を経て病院にきた時は、よくわからないけど一人で歩けないからリハビリへ、、、、、、という状況です。

この現状を目の当たりにし医療職としての私の視点からは、タンザニアの人々にとって「健康で安全に暮らす事は当たり前なものではない」と感じ、もどかしい感情を抱いたことを覚えています。「もっと、初期から状態を把握出来れば、もっと対応方法があったのではないか」と思わされるケースも少なくなかったからです。

そして、そんな現状に遭遇する度に、普段は明るく陽気で、何かと衝動的だけど憎めない、そんなタンザニアの人々が、より安全で安心した生活が守られるように、現地の医療機関の質の向上に貢献したいと言う感情が強くなりました。

 

現場での奮闘記

私は患者診療を通してタンザニアの医療に関わりましたが、環境のせいもあって、出来ることも限られてはいました。ただでさえ余裕のなく不安な病人が、拙い現地語を操る見慣れないアジア系外国人である自分に対して、不安を抱くことは自然な流れでした。子供に至っては、拒否に近い反応を示されることも少なくなく、その度に、何度も気持ちが折れそうになりました。

それでも、一生懸命に接することだけを続けた結果、1年も経つ頃には、大人達は遠方であっても私を頼って通院してくれる人が増え、子供に至っては笑いながら良くなった患部を得意気に見せに来てくれたりするようになりました。今思えば、2年と1ヶ月という短い期間でしたが、誠意を持って取り組めば、産まれ育った環境は違っても、相手に気持ちは伝わるということが体験出来た場となりました。

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現地の人たちの人柄

ある日、私が担当した中年男性の家族が、足を縛った鶏を抱えて私の職場に現れました。

衛生的に問題がありそうなので、患者さんのいるところまで持って来ないように告げましたが、お世話になっているお礼だと私に渡してこられました。衛生的に白衣のままですし、何より高価な品なので受け取れない意思を伝えました。

それでもまだ引き下がらず、私が受け取ろうとしないので、鶏は足を縛られたまま、患者さんの待合の一角に座らされていました。私は何とか諦めてもらおうと、次は自分で捌けないから受け取れないと伝えました。それでも今から教えるから覚えればいいと押し切られ、結局自分で捌いたのは良い思い出です。

鶏一匹は現地の人にとって安い買い物ではありません。受け取る時は最後まで気負いはしましたが、彼らの感謝の気持ちが嬉しく、その日の鶏は格別美味しかったことを覚えています。

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これからの自分とタンザニアとの関わり方

帰国後、日本でも地域医療に関わりたく訪問リハビリ分野へ就職しましたが、タンザニアでの多くの経験が忘れられず、タンザニア住民の健康増進に一躍変えればと思い、帰国から2年過ぎてから大学院に進学いたしました。

 

ひょんなことから出会ったタンザニアでしたが、暖かい人柄で魅力いっぱいのタンザニアとは、私はまだしばらく離れることは出来なさそうです。

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